「早馬くん」


そう私が呼ぶと首を傾げる。



「私はさ、やっぱり普通…ていうか真面目だし、早馬くんの周りにいるような女の子より全然釣り合わないしさ。それは事実だから…」




だから…早馬くんがやつやって友達だからって言って弁解してくれるのは嬉しいけど…




「事実なんかじゃない」



え?



いやいやいやいや



「あと、その釣り合う釣り合わないとか言って逃げちゃう奈田、飽きた」



飽きた…って…



「それしか言ってないよ?ああいう人達の前だとさ」




「………」



『奈田さんは真面目だからあんな人好きな訳ないもんねぇ~?』



『奈田さんって二十歳にならないと彼氏作らないんでしょ?だったら好きな人だっていないでしょ?』




「奈田はさ…俺は可愛いと思う」




え、



「いや、その…好きとかじゃなくて!『不釣り合い』とか色々言い過ぎってこと。奈田だって釣り合う以上のもの持ってると俺は思う」




私は小さく目を見開いた。