朝、いつも通りに一人で堤防を歩く。
「奈田!奈田奈田奈田!」
私を連呼する声に振り向いてみると、
やっぱりそこには早馬くんがいた。
「早馬くん!?」
「おはよ!」
少し疲れたようで肩で息をしつつこっちにまた明るい笑顔を見せた。
「お、はよ」
「あれ?桜田は?」
私が一人で登校してるのが不思議だったらしく聞かれる。
「未胡は家が全然違うとこだから」
というと、呼吸を整えた彼が「そっか」なんて答える。
「せっかくだしこのまま一緒に行こ」
え。
「ほら、俺ら友達だしさ」
…なんかそれ『友達』を間違えてる気が…
なんて思っていると
「頼むからもう奈田が関わることで絶対に俺らに迷惑はかからないんだからさ。変なこと言わなくていいから」
「……うん、ありがと」
曖昧に返すと、少しだけ表情が固くなったあと、
「ん」
とだけ返された。

