【早馬真言side】


高校二年の始業式の日。


「今年はお前がすぐ後ろの席じゃないな」


貼られた名簿を見て思った。



奈田、憂樹…さん?



女の子なのか、男なのか。



それすらもわかりずらい名前。



実際に見てみると、いかにも真面目っ気が強い女の子



─────なのにそれに似合わないくらい、顔も、雰囲気も可愛い。



俺がそんなことを思うのは始めてで。




彼女を毎日観察して、



「決めた」



健祐にある日言った。




「俺、あの子と友達になる」