折り畳み傘を出して空を見上げた。



「じゃね、憂樹!」


「未胡、ばいばい」


家の方向が全然違う未胡に手を振り、



水溜まりに気を付けて歩いた。




…よく見たらこれ、天気雨だ…



そう思うと、堤防を見つめた。


何か人影が見える。


「あれって…」




まさか。


堤防を勢いよく掛け降りる。



「よしよしよし1号~」



やっぱり…



「早馬くん」



「あれ、奈田!?来てくれた!?」



こっちを見ると1号に見せていた笑顔をこちらに向ける。