「いや?ただ話してただけ」
「ふーんそっかぁ」
ただひたすらにこっちを見つめる。
「…健祐」
スマホを制服の胸ポケットにしまうと、
綺麗なクリーム色のワックスで今風に整えられている髪を少しぐしゃっとさせた。
「借りるな、奈田」
そう言うと有無を言わさずにこっちに引っ張る。
そして
扉が閉まった瞬間。
「ひどいこと言われてないよな!?」
と両肩を掴まれてガシガシと体を揺らされつつ
「だ、大丈夫…」
なんて答えた。
「そっか。ごめんな、アイツ毒舌でさ~初対面だときついかと思ったけど良かった」
新崎くん毒舌なの?
優しい風に思えたけど…

