遮るように聞こえた犬の鳴き声に驚く。 後ろを見ると、「犬と戯れよう!」的なコーナーがあった。 大きなゴールデンレトリバーが吠えている。 真言くんが足早にそっちへと向かった。 「ほれ」 両手をレトリバーの前に出すと、お手、のようにした。 「お前かわいいなぁ~」 ……楽しそうだなあ。 …ほんと、楽しそう 真言くんの隣に座った。 「憂樹も触ってみなよ」 「う、うん」