次の日、私は大切なことを昼に思い出した。


「…うわ、私何やってんだろ」


「?どうしたの」


ポッケに入った物を出すと昨日の指輪で。


「指輪?」


「何それ」


「わ、私ちょっと1年生のとこ行ってくるね」


真言くんは少し黙った後、「気をつけて」


と呟くように言った。



「うん大丈夫だよ」



「イチャイチャしてないでさっさと行ってきなよ」


み、未胡がなんか怖い!?



「は、はーい」


――――――――――

「で、早馬は本当にいいの」


「いー訳ねえじゃん」


「じゃあなんで…?」


「多分、柵瀬も知ってるんだよ」


「え?」


柵瀬自身の気持ちも。憂樹の気持ちも。


ま、俺も昨日まで憂樹の気持ちは気付かなかったんだけど。