その日の帰り、学校を出ると 門前に誰かがいるのがわかった。 あれって、柵瀬くん? 「あ、先輩!」 私を見ると、そんな風に呼ばれた。 「柵瀬くん?どうしたの?」 「いやー…ちょっと、別になんもないんすけどね」 ははは、と乾いた笑いを起こす。 「先輩、…俺話したいことあるんで。一緒に帰りませんか?」 柵瀬くんの笑顔は少し苦しいものへと変わった。