金色の彼の髪は、少し伸びた気がした。 「俺…、」 「ん?」 「この話は、また今度でもいいっすか」 そう言った柵瀬くんの声は少し震えていて。 返す間もなく、走っていってしまった。 柵瀬くん…なんか様子が変な気がする。 「奈田」 声に振り向くと、すぐ後ろには早馬くん。 「!?」 「…驚きすぎ」 そう言いつつ、私より身を乗り出して 廊下を見つめた。 そしてすぐ戻って、「はあ」とため息をして席に戻っていった。