それから一ヶ月後。


もうすぐ梅雨が来る時期になった。


「奈田ちゃん?向こうで後輩くんが呼んでるけど…」


「え?私?」


早馬くんが不思議そうに頭を傾ける。



「うん…あれ確か1年の柵瀬くんだよ」


「あ、柵瀬くんか!ありがとう」


早馬くんは不思議な顔を続けていて、


なんだか可愛い。



「ちょっと知り合いのとこ行ってくるね」


「…うん」


柵瀬くんはなぜかそわそわして待っていて。



「おっおはようございます」


「おはようございます」


そう返すと安心したように笑顔になる。