「わかんないなあ。私本当に不器用だね」 膝を立てて座り込む。 風がさあっと吹き抜けるのを感じた。 「…ごめん。俺も訳わかんねえこと言ってた」 携帯が震える。…クラスメイトの子達からのメールだ。 「な、奈田」 そう言われて早馬くんの顔を見た瞬間だった。 まっすぐとして大きな瞳。 その目が一直線に私に向かってきて。 私は本当に、彼のことが 大好きだって気づいてしまった。