「…俺さ、ちょっと色々と考えてたんだよね」
「そう、なんだ」
「おう。珍しくね?こんなバカがさ、」
早馬くん本当は全然バカじゃないのに。
「ううん、バカなのは私の方だよ」
「は!?奈田本気でそう思ってます!?」
「お、思ってます」
だって私は勉強を頑張ってるってだけで特別頭なんか良くない。
「…奈田のそういうとこすげえよな」
「え?」
「皮肉じゃなくてそうとしか思ってることしか言えないってとこ」
確かにこれは皮肉でもなんでもない。
ただ私がそう思ってるだけなんだから。
「でもさ、皮肉の使い方とか──そういうのよくわからないし」
「だからそうやって生きてこれたのがすげえんだよ、多分」
うーん、難しい話だ。

