でも、そう焦る私の気持ちなど知らずに 迫りくる電車。 電車が停止するほんの一瞬、ぎゅっと目を閉じた。 「何してん?はよ、乗るで」 ぶんちゃんに軽く背中を叩かれ、反射的に目を開ける。 ーバチ あなたと目が合って、心が桜色に染まる。 私を見て優しくふわっと笑ったその瞬間。 一度電車に乗ったはずのぶんちゃんに手をひかれて 電車に乗った。