恋色電車




音がした方に顔を向ければ、



半年前に会った、君がいた_____。




さっきまでの会えないかもしれないという不安は



口の中でゆっくり溶けていった飴とともに消えていった。




君は、電車を一周、ぐるりと見わたした後、



俺と1.5mくらい距離を置いて座った。



コートのポケットに手を突っ込む



指の先に、あの棒の飴が当たる。




俺がこの飴を持ってきたのは、半年前のお礼のためだった。



ほんとは、もう少しちゃんとしたのを渡そうと思ってた



でも、家にあったのがこの飴だった。




右手は、飴を掴んでいるというのに



1.5mの距離が邪魔をする。