「なんで南出唯なわけ??」
「絶対莉奈のほうが可愛いのにー」
「どうせ南出唯のほうから涼太にちょっかい出したんでしょ?」
「絶対それ!でも莉奈のこと怒らせたらやばいかもね。南出唯も終わり」
ケラケラ笑いながら女の子たちは
そんなことを言いながらパタパタと
足音が遠ざかった。
そっと下駄箱の陰から顔を出すと誰もいなかった。
ちょっと安心してふぅーと息を吐くと
「唯!おはよぉ!」
と後ろから涼太の声が聞こえた。
「わぁ!おはよぉ」
びっくりして声を出すと
とっても優しい顔で私を見下ろす。
「びっくりさせた?ごめんな」
涼太はそう言って頭に手を乗せてポンポンと撫でた。
あっ、みんなにもこうやって…
ズキッ
なんとなく胸が痛いような気がする
なんでだろう?
なんかの病気かな!?
なんて思ってると奈実ちゃんが走ってきた。
「ごめん!唯!先生に捕まっちゃってさー」
「ううん!私こそ取りに行ってもらってごめんね」

