「じゃあ俺らも帰るか」
そう言って歩き出した涼太の後ろをついていく。
商店街を抜ける方が近いからと商店街の方に歩いていると最近人気の芸人さんがイベントに来ているらしく人がいっぱいで通るのが精一杯になっていた。
それを見た涼太がそっとあたしの手を握った
「えっ…!?」
驚いて声を出すと
「唯、小っちゃいしどっか行きそうだから…。はぐれんなよ?」
そういって涼太は商店街に歩き出した。
涼太の表情は見えなかったけど
耳がほんのり赤いのが見えた気がした。
なんだか……フワフワする。
涼太の手があったかいから
なんだか安心するのかな?
あたしにはなにがなんだかわからなかった。
商店街を抜けたところで人混みはなくなっていた。
「ふぅ…大変だったな」
人混みをかき分けてあたしが通りやすいようにしてくれた涼太は少し疲れた様子だった。
「ごめんね、あたしがもっと大っきかったらよかったのに」
そう言ったあたしを涼太はキョトンとして見ていた。

