しばらく沈黙が続いた後話出したのは相手だった。
「わりぃ怪我してない?」
少し戸惑ったような顔をしてこっちをみた。
「う、うん」
私は目を合わせることができなかった。
「そっか、じゃぁな!」
その栗色の髪を靡かせながらあの人はまたイス運びを始めた。
「も〜なにやってんだよ!"一樹"!」
そう話し始めたのはあの人と同じクラスの女子だった。
…………"一樹"くん……かぁ……。
しばらくボーッとしてる私にクラスメイトの菜穂ちゃんが話しかけてきた。
「しいなちゃん?菜穂だよ!水嶋菜穂!みんなからはなっぽって呼ばれてる!」
あぁ私に似ているとかなんとかね
「うんっよろしくね」
それからその時間は菜穂ちゃんと一緒に行動していた。
「しいなちゃんってまえの学校で彼氏とかいたー?」
私はこの人の性格に惹かれていった。
この人なら話せる仲良くできる。そう思った。
「しいなでいいよ!彼氏ね〜自然消滅みたいな?」
私は愛想笑いをしながら過去を話した。
