立ちはだかったその人は、 吸っていたタバコを地面に捨てると、面倒臭そうに靴で踏み潰す。 「人が嫌がること、やったらダメだって習わなかったの?」 鼻にかかったハスキーな声。 私の方に振り向くと、 ギターケースを置いた。 「ちょっとコレ見てて。」 そう言って、一瞬微笑んだ。 目に少しだけかかった前髪が、ふわりと風に揺れる。