「さっきね、病院で話しかけて来た人いたでしょ?」 「あぁ、ちょっと年行ってたけど綺麗な人だったよな。」 「…あの人、パパの不倫相手なんだ。」 少し、沈黙が流れた。 何て言えばいいのか、頭の中で言葉を探す。 「悪い人じゃないって、わかってるんだけど。でも、私…どんな顔して話したらいいのかわかんなくて。」 「そっか…。難しいよな。」 そんな言葉しか言ってやれない自分が情けなかった。