病院を出ると、さっき来た道を戻る。 美桜が無言で歩き続けるので、隣りに並んで顔を覗き込んだ。 「どした?」 「ん、何でもない。それよりこれ、一日三回飲みなさいって。」 正直、面倒くさかったけど、薬の袋を受け取るとズボンのポケットにねじ込んだ。 「今、面倒くさいって顔したでしょ?」 「えっ? してねぇよっ!」 「痛み止めも入ってるって。注射するより良いと思うけどなぁ…。」 「ちゃんと飲みます。」 思わず小さな声になった。