「わかった。じゃあ、そう呼ぶね。」
遥希の笑顔に内心ドキッとしながら、冷静を装おった。
しばらくは意識していなければ、間違えてしまいそうな気がする。
呼び方が少し変わるだけなのに、何だか遥希との距離が少し近づく気がしてしまうから不思議だ。
1人、そんな事を考えていると、開始のブザーとともに照明が消え始め、ほんの一瞬、暗闇が訪れる。
照明が落とされるとともに、今まであちこちから聞こえていた楽しそうな会話もほとんど聞こえなくなり、どこかのカップルの囁き声が時々聞こえるくらいで静かなものだ。
私達もまた、目の前の画面に視線を移し、映画が始まるのを黙って待った。

