繋がれていた手が離れ、遥希が私の知らない世界の住人に戻る。 急に温もりを失った私の左手が、不安定に空気を掴み、まるで自分が迷子の子供みたいに感じた。 遥希は私を入口に残したまま、ソファーで雑談をする人達の輪の中に混じり込む。 私はそこに一人取り残された。