ゆるこい




放課後、悠がいなくなった教室で、私はまだ、何をするか決めかねていた。




図書室にでも行こうかな。




今日は一緒に帰るわけじゃないから、閉館するまでゆっくり本を読んでいられる。




うん、そうしよう。




「あ、杏子ちゃん。久しぶりだね」




カウンターには、図書室と一体化し始めている渡辺さんがいた。




学級委員をやってそうな黒縁メガネが真面目に魅せる。




実際に真面目な人で、誰も来ない図書室の、サボってもバレないような仕事でも、ちゃんとやってる。




そんな渡辺さんが、密かに好きだったりする。




あ、もちろん恋愛対象としてじゃなくて、お友達になってください、みたいな感覚だけど。




朗らかな性格ゆえ、誰にでも話しかけはするけど、それ以上には発展しない。




渡辺さんに憧れる女の子も多いのだ。




悠ほどじゃないけど、渡辺さんもなかなかモテる。