「なんでもいい。したい」
身体を90度回転させると、悠がものすごい近くにいたことを痛感した。
近すぎて戸惑う。
「ホラ、こっち向いて」
甘い声は、悠のじゃないみたい。
怪しく光る目は、何処かお菓子を貰った子供みたいだった。
唇の神経は敏感で、感触、熱、全部伝わってくる。
この間は恥ずかしくてそれどころじゃなかったけど、悠はあの時もしっかりと堪能していたらしい。
この感覚、嫌いじゃないかも。
「…………んぅ」
なんて思っていた矢先に酸素不足、しかも深刻な状況。
力ずくで離れようかと思った、直後。
「っハア、ハァ」
どうやら悠も深刻な酸素不足だったみたいだ。
こうゆう状況の恋愛小説って大抵、男が無酸素でも生きていけるんじゃないかってくらい宇宙人なのに。
悠はちゃんと人間だったみたい。
ゲームが上手いのに、こうゆうところってやっぱり悠だなあって感じる。
それがまた嬉しかったり。
「完璧って逆に欠点だよね。こうゆう悠のちょっと残念なところとか、好きだよ」
「嬉しくないなあ。男前でカッコいい!とか、言ってくんない?」
不満顔な悠が、ボソッと呟くところによると、男前なところとかはゲームでしか表現できないらしかった。
不満気に頬を膨らませる可愛いところとか、無酸素で生きていけない残念なところとか、どうしようもなく、
「好きだよ」

