「悠、離してよ。やりにくい」
「こんなの簡単だよ。なんで出来ないの?」
「できてるよ。ちょっと悠より遅いだけ。悠が速すぎるんだ」
「ちょい仮眠。終わったら起こして」
悠はそう言うと、杏子のお腹をギュッと自分の方に引き寄せて。
ここまでならまだしも、肩の上に頭を乗せて、寝始めた。
そもそもゲームやりたいって言ったのは悠の方なのに。
なんで私一人でゲームやってるの。
「悠起きてよ、なんかこれ一人だと虚しい」
「僕はココにいるでしょ。杏子、終わったの?」
「……あと少し」
「がんばれー」
完璧な棒読みで、エールを送った悠は、また肩に顔を埋めて寝始める。
くっそう。