夜の街を歩きながらルナは少し前の出来事を振り返っていた。 自分が吸血鬼ではなく、勿論人間でもない。 先程は興味なさそうに対応していたが、ただ感情を表に出さなかっただけでルナの心は絶望で押し潰されそうであった。 「…ふふ…」 小さく笑うと額に左手を当て、俯いた。 「俺は…俺は一体何者だろう…」 一生終わらない負のサイクルを頭で巡らせながら顔を上げた。 ここからコンビニまでまだ少し距離がある。 そう考え歩き出した。 頭上を見上げると、綺麗な満月が輝いていた。