ルナはその言葉に複雑な表情を見せた。

「…って言っても、全くその時の事を覚えてねぇんだけど…」

クーラはその言葉にまたしても持ち前の頭脳を働かせた。

「やっぱりそうか。お前はランスとの戦いでもそんな事を言っていたな…きっとお前はある条件がそろうと、一気に戦闘能力が増加する様だ。その条件とは十中八九『怒り』だ。電気使いと戦闘中のお前からは『怒り』を感じた。ランスとの戦闘とも同様だ。ただ、その2つの戦闘と違うのは怒りの量だ。電気使いとの戦闘で、お前は『怒り』が最大限に達した、だからあの覚醒状態に陥ったんだ。」

「覚醒状態?」

ルナは初めて出てくる単語に眉を潜めた。

「お前が、変身している時の事をこれからそう言うよ。ちなみに、ランスとの戦闘中の状態を半覚醒状態と付けておく。その方が解りやすいだろ?」

ルナはその答えに納得の意味を込めて小さく頷いた。

「…とまぁ、今分かる事はこれで精一杯だな!」

クーラは、話しをそう締めくくると、再びベッドに寝そべった。

「ちょっと待ってくれ!!」

今まで会話に参加していなかったランスが、急に声を上げた。

「ぁん??」

ランスの声にクーラは何事かと迷惑そうに片眉を上げた。

「…意味わかんねぇ…」

その場にどうしようもない空気が漂った事は言うまでもない。