「はい。新聞……?」

お父さんという、男性に渡した新聞紙の写真は全く動かず、ただの文字ばっかりだった。

「美雨っっ?ご飯食べたのっ?」
「あっ!はい!」

はぁぁぁ…と美雨はため息をつき後悔した。

ここは…人間界w

「美雨っ!なら、はやくはやくっ」

お母さんという女性に背中を押され、
玄関まで来た。

「はいっ!行ってらっしゃいっっー」

「あっ…行ってきますっ?」

学園で習った、日本の礼儀。
靴はかかとを踏まない。ちゃんと履く。
そして、頭を下げる。


これから、なにが起こるからわからない。いつ、死んでもおかしはないだろう。
だって、怪物と戦うなんて…

人間という、生き物はやはり嫌いだ。
そう思いながらもドアに手をかけ、
お母さんという人に笑顔で手を振り、
家を後にした。