~睡蓮〜
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お祭りでトシ兄と別れてしまった。そのことにたいして涙が流れてくる。
出来ることなら早く逃げ出してトシ兄の所へ帰りたい。だが、今は脇腹を抱えられていて身動きが取れない。唯一動かせる首を動かして自分を抱えられている人を見上げる。


「誰。。。なの?ヒック」
睡蓮はしゃくり上げる声を押し殺して金色の髪に赤い目の男に話しかけた。


「ん。。。俺の名前か?。。。」



「うん。。。」



「鬼道 刹那だ。」


「きどう。。。せつな。。。」



「お前の。。。実の。。。いや、いい。また今度話すとしよう。」


「う、うん」