体育館に入るようにという指示に従い、生徒に混じってゾロゾロと移動する。



古い体育館は、
暗く湿っぽい雰囲気でその割にやけに広かった。


クラスごとに
並んで座る。


前にいる麻美が
私を振り返り、手を振って笑った。



手を振りかえした。



またさっき考えていたことを思い出す。




私は、小さい頃から
自分が美しくないことに気付いていた。


それどころか、自分の顔が醜いのだと気付いたのは、中学に入学してからだった。


目は小さいし、歯並びは悪いし、顔は大きい。


笑顔でさえも、
可愛い子の足元にも及ばなかった。




自分が嫌いになった。



不細工なだけの自分なんて、存在する意味がないとまで思った。



中学時代は、顔のコンプレックスに悩まされ続けてすぐに過ぎた。




高校に上がる時、少しでも自信を持ちたくて

髪を短くし、ストレートにした。



顔は不細工なままだけど少しだけスッキリした。



くよくよしすぎるのは良くないよね。



そう思って、
前向きを目指した。