SWEETPAIN~冷たい旦那サマは副社長~

「何見てんだ?入りたいのか?」




「私は別に…」




「…麻友が入りたいと思ってるなら、入ってもいいけど…」



「ええ~っ!?それはダメですダメです」




「そんなに否定すんなよ…寂しいだろっ?俺は抱きたいと思ってるのに」




「え、あ…本当は恥ずかしいけど、私だって…」



でも、あっという間にホテル街を抜けてしまった。




「遅い…もっと早く言えよ!!」



蓮人さんの声が切なげだった。




「…だって…オンナがこんな風に思うのははしたいと思って…」



「…麻友は普段は令嬢らしくないのに、こんな時だけ妙にお嬢様だな…」


蓮人さんは赤信号で車を停車させると、助手席の私を意地悪く見つめる。


「苛めたら…今夜はお預けですから…」


「別に苛めてないけど…」

私は頬を膨らせて怒った振りをする。



「機嫌直せよ…麻友」




蓮人さんが私のご機嫌を伺い、ほっぺを指先で突っつく。

今までにない蓮人さんの態度。

私は直ぐに笑顔に戻り、『冗談です』と返した。



「麻友お前…」

蓮人さんの私の名前を呼ぶ声には優しさが溢れている。


ずっとしたかった甘い恋人のじゃれ合いを二人で満喫した。