「君は見合い相手を隣の妹と交代すると言うのか?」



蓮人さんの不愉快そうに眉間に皺を寄せる。



ウェイトレスが水を持ってきた。



「ホットで」



蓮人さんは手短にオーダーを告げた。



「かしこまりました。ホット一つですね」


ウェイトレスはトレーを小脇に抱え、オーダーを復唱して厨房の方に戻っていく。




「君は…幾つだ?」



「22歳です。今は明和学園付属大学英文科の4年生です」


「大学生?就活は??」



「父の会社の事務員として働く予定です」



「・・・」



蓮人さんの瞳が急に私をジッと見据える。



少し色素の薄い茶系の瞳に高い鼻梁に形のいい唇。



寸分の狂いもなく整ったパーツの端正な顔。



私は彼のイケメンの顔に目が逸らせなかった。