「…正直、麻友ちゃんが蓮人の婚約者だって知った時、ショックだった」



「…奈都也様…私…」



「…蓮人よりも俺の方が麻友ちゃんを幸せに出来ると思うよ…」



ショーウィンドーのガラスに映る奈都也様の顔は切なげ。



「俺は麻友ちゃんがスキだから…特別扱いしていた」



彼の優しさには特別な感情があったんだ。

私の誇大妄想ではなかった。



「昨日は蓮人と麻友ちゃんの仲を取り持つようなコト言ったのに…俺がズルい男だ…」



奈都也様は自分の狡猾さを嘲笑った。




「…麻友ちゃんの肩に触れた時…胸が高鳴った…俺は今でも麻友ちゃんがスキなんだと思った」