「!?」



私は舗道の段差にヒールの踵を引っ掛け、躓きそうになった。




「おっと…」



奈都也様は咄嗟によろけた私を肩を抱いてくれた。




不意に近づいた私達の距離。




私は蓮人さん以外の男性に心臓の脈拍を大きく跳ね上げる。




「…大丈夫?麻友ちゃん」

奈都也様の声音には、普段感じない甘さがあった。


「だ、大丈夫です…」



私の肩を抱く奈都也様の手をやんわりと放す。



「ゴメン…」