上の兄・達央は出来ちゃった結婚。


母さんも親父に似て嫁の美華さんを可愛がっていた。

二人とも似た者夫婦のクセに、全くそのコトに気づいていない。俺は母さんの淹れた美味しいコーヒーを飲み干して、カップをソーサーに戻す。



「俺はオフィスに戻るよ」



「ちょっと、蓮人。今度、麻友さんと4人で食事をしましょう」


「はぁ?俺は彼女の連絡先に知らないし、結婚式当日でいいだろ??」



「何を言ってるの!!蓮人貴方の栄えある門出の日でしょ!?麻友さんに全てを任せる気?」







母さんは俺を早口で捲くし立てる。母さんの逆鱗に触れるとさすがの親父も収集がつかなく、手に負えない。俺も同じだった…



昔から母さんのヒステリックな所だけは嫌いだった。



「判ったから、朝から怒るなよ…」