俺は母さんに促され、ソファに腰を下ろした。



「…で、妹の麻友さんはどんなタイプの女性だ?」


親父の少し厭らしげな物言いに隣に座る母さんは嫌悪感を示す。


「貴方の相手ではないでしょ??」



「でも、義理の娘になるんだぞ!!」


「…達央の時と言い…貴方は…嫁を可愛がり過ぎです!!」



「…舅と嫁が仲良くして何が悪いんだ?奈央」



「貴方の仲良くは…何処か下心も見えているですよ」




「下心って…お前だって二人の息子を溺愛してたじゃないか!」



「それは…母として…息子を可愛がっていただけです!」


俺の目の前で犬も食わない喧嘩を始める両親。


親父は社内で散々浮名を流したが、最終的には美人で出来る秘書の母さんとゴールインして、俺と兄貴の二人の息子を産んだ。


2番目は娘を切望して、『産み分け』に挑戦したが生まれたのはまたしても息子。出産の激痛には耐えられないと3人目は断念してしまった。