先輩×後輩



「ひど。俺、年下だからってなめられてんの?」



なんて口では言ってるけど、顔はニヤけてる…


わかってるって顔。


あたしが俊くんしか見えてないこと、この人はちゃんとわかってるんだ。



「別の年下の男に言い寄られてコロッといっちゃうんだ?」



わかってるくせに。


わざとそんなことを言うんだ。


あたしに、言ってほしいから。


俊くんだけだよって、言ってほしいから。


この顔は、きっとそれを求めてる。



「…どうなんだよ?」

「わかってるくせに…」



不満そうに眉をひそめる俊くん。


そんな顔をされると、甘くなっちゃうあたし。


結局あたしは、俊くんが第一で、俊くんにはとことん甘い。