キッチンにやってきた俊くんは、眉間にしわを寄せて不機嫌気味。
うわぁ…もしかして怒ってる?
「俊〜さくらさんくれ!」
はぁ!?
この子、何言ってるの!?
あたしがびっくりしていると、俊くんは驚きもしないで言った。
「無理」
そう言うと、洗い物が終わったあたしの手を引っ張って、2階にあがった。
ちょ、どうして2階?
そのまま手をひかれて、入った部屋は…
「…光輝くんの部屋?」
久しぶりに入る光輝くんの部屋は前と全然違くて、シンプルな部屋だった。
「…座れよ」
自分の部屋じゃないくせに、偉そうにそんなことを言う。
仕方なくあたしはラグの上に座った。
「なんだよあれ」
あれって…川村くんのことだよね?
何って言われても…
あたしが黙っていると、俊くんがため息をついて言った。
「気をつけろって言っただろ」

