とにかく…スルーしていいかな?
俊くんにも、気をつけろよって言われたし。
あたしは、俊くんだけなんだけどね?
川村くんのことは無視して、洗い物を進めた。
すると川村くんは冷蔵庫に背中を預けて言った。
「この間の花火大会、さくらさん浴衣すごく似合ってましたよね」
本当はその台詞を俊くんに言ってほしかった。
今日もまだ聞けてないし。
「…そ、そう?ありがと」
「俊はいいなあ。こんなに可愛い人が彼女で」
「…はっ!?」
突然の川村くんの言葉に、持っていたお皿を落としそうになった。
見事キャッチして、一旦落ち着く…。
この子…さっきからなんなの!?
からかってるの!?
「…何やってんの」
「…あ」

