ふわっと触れる、俊くんの柔らかい髪の毛。
「や…」
俊くんの髪が頬に触れて、すごくくすぐったい。
すると俊くんは、耳元で小さく呟いた。
「さくら…」
耳元で俊くんが喋るたびに、息がかかる。
あたしはそれに思わず反応して、びくっとなった。
「…ふっ」
「ひっ!」
耳に息を吹きかけられて、変な声がでちゃう。
優子たちいるのに〜!
あたしは俊くんを睨みつけた。
「…なにその目」
「なにって…」
怒ってるの!
なのに、俊くんは呆れたように言う。
「…逆効果」
「え?」
「…ほんと、わかってねぇな」
そう言って、ちょんっ…と
唇を重ねてきた。

