もういいもーん!
あたしは俊くんの腕から出ようとするけど
「…何してんの」
って、絶対出してくれない。
何してんのじゃなくて!
そろそろ離れないと…!
「優子たち、来ちゃう」
ちらっとリビングを覗くと、部屋には誰もいなかった。
きっとみんな、外で準備してるんだと思う。
だけど、材料がここにあるから、きっとそのうちキッチンに来るはず。
こんなとこ見られたら、絶対にあとで何か言われるんだから!
「別にいいじゃん」
よくないから言ってるんだって!
だけど、そんなあたしの気持ちは俊くんには全く伝わらず…
後ろから抱きしめたまま、肩に顎をのせてきた。

