先輩×後輩



「そういう優子は、花火大会行ったの?」

「うん。さくら達に会うかと思ったけど、会わなかったね」



ずっとあの池のところにいたからね。



「今度聞いてみたら?」

「なんて?」



というか、誰に?


あたしがさっぱり、という顔をすると、優子はため息をついて言った。



「浴衣のことに決まってんでしょ」



ああ、その話か!


うーん、聞いてみようかな。


でも、聞いたところで俊くんが本当のこというかどうかわからないし…


ていうより言わない可能性のほうが高い。


もしかしたら、本当に似合ってなかったのかもしれないし。


うーん、考えれば考えるほどわかんなくなってきた…



「やば!もうこんな時間だった!」



急に優子が立ち上がって言う。


時計を見ると、もうここに来てからだいぶ時間がたっていた。


優子は今日、このあとバイトなんだって。


急いで会計をすませて、優子とお店の前でわかれた。


…うん、決めた。


今度俊くんに会うとき、思い切って聞いてみよっと!