確かに、この辺は屋台があったところと比べて人が少ない。
花火を見るには、ちょうどよさそう。
光輝くん、ナイス!!
「ここでいっか」
あたし達はたこ焼きが入ってた袋を下に敷いて、池の周りの芝生に座った。
ふぅ。
なんだか疲れちゃった。
慣れない浴衣着て、慣れない下駄履いて。
おまけに人ごみで大変な目にあうし。
「…おばさんかよ」
「う、うるさいな」
あたしの『ふぅ』が聞こえたのか、俊くんは呆れたように言ってくる。
いいじゃない、別に~!
『ふぅ』くらい、20歳でも言うんだから!
「たこ焼き食うだろ?」
「うんっ」
花火が始まるまで、あと5分。

