でも、この子も彼女がいるってことは知ってたみたいだし。
女の子たちも、あたしが彼女って知って驚いた様子もなかった。
「時間だし、俺もう行くから」
男の子がまだ何かブツブツ言ってたけど、そんなのお構いなし。
俊くんはあたしの手をとって歩き出した。
どこ行くんだろう?
そういえば、花火は?
まだ始まってないよね?
「俊くん?どこ行くの?」
「こっち」
こっちって…
方角を言われてもわかんないし!
まあ、いっか。
そのまま俊くんに連れて行かれ、ついた先は公園のはじっこの、人気の少ない池だった。
「ここ?」
「そ。光輝から花火見るならここって言われた」

