「いたいし~!!」
「痛いわけねぇだろ、こんな力で」
ちょ、ひどくない!?
あたし、これでも彼女なのに!!
それでも俊くんは、笑いながらペシペシ叩いてくる。
確かに、すごく弱い力だからそんな痛くないけど…
でも、そういう問題じゃな~い!!
俊くんの手を追いやろうとしたとき、
「あれ、俊?」
「…げ」
あたしの後ろから声がして、その声に俊くんが反応した。
しかも、『げ』って…
あたしはまだペシペシやってる俊くんの手を払い除けて、後ろに振り返った。
「何、お前浴衣なんて着てんの!?」
そう言った男の子は、俊くんに近寄ってワイワイやっている。
振り返った先にいたのは、この男の子を含める2人の男の子と、3人の女の子だった。
みんな、俊くんの学校の友達なのかな?

