「人が少ないとこで見よっか」
「なに、機嫌直った?」
そう言って顔を覗き込んでくる俊くん。
機嫌って…別にもともと、悪かったんじゃないもん。
まあ、俊くんには言えないけどぉ。
「はぐれんなよ」
「わかってるしぃ」
「嘘つけ。前、遊園地行ったときはぐれてビービー泣いてたじゃん」
「なっ…!?」
ビービーって!!!
た、確かにはぐれたのは事実なんだけどさ!!
そんなに泣いてないもん!!
「大学生にもなって…」
「ひ、ひどぉい。あれは俊くんがちゃんと掴んでくれてなかったからでしょぉ」
「なんでだよ」
もう忘れてたのに…
俊くんのせいで、思い出しちゃったじゃない!!

