「…何甘えてんの」
「なによ。甘えちゃダメなの?」
フッって笑いながら言う俊くん。
年下のくせして、こういうときだけ大人ぶる。
だけど、実は俊くんのそういうところが好きなんだ。
一緒にいても、全然高校生に見えないよ。
「…べつに」
なんて言ってるけど、少しだけ嬉しそうな顔をする俊くん。
もう、本当に素直じゃないんだから。
俊くんが、ゆっくりとこっちを見てくる。
あたしも、俊くんから視線を逸らさない。
だんだんと俊くんの顔が近づいてきた。
それを見て、あたしもゆっくりと目を閉じる。
「花火…一緒に行こうな」
俊くんは、そう呟いてあたしの唇に自分の唇を合わせた。
家の前でキス、しちゃった…
ちょっとだけそんな罪悪感があったけど、そんなの知らないもん。
花火大会…楽しみだな。

