「露、今度に日曜日どこか出かけようか」

「え!?」


彼のそんな発言に、私は持っていたティーポットを落としそうになる。


「……色々あってからどこへも行っていなかっただろう」

「霧様……」


彼の――

霧様のそんなお心遣いに胸がきゅぅっとなった。



――こんにちは、春日露です。


この春ごく普通の高校生……

にはなれなかった女の子です!


なぜ普通ではないかと言うと、なんと!

中学を卒業したと同時に、お隣の東條家のメイドさんになることになったから。


楽観的な父の陸くんと、東條家のご当主零さんの計らい……というか、たくらみ(!?)で高校にも通わず働く事になったんだけど。


今となってはメイドさんになってよかったって思う。


だって、霧様に逢えたんだもん。

霧様は私のご主人様。

頭がよくて、優しくて、すっごくかっこいいんだぁ。