どれだけもっと一緒にいたくても、それは今は叶わない。


「おにいちゃん、またきてくれる?」

「うん、また来るよ」

「ほんとに!?ぜったいだよ!まいにちあいにきてね!」

「うん、わかった」


無邪気に笑う露に手を振ると、僕は病室を後にした。

すると、廊下には綺さんと陸さんが2人並んで立っていて、僕は小さく頭を下げた。


「あのね、霧くん、お医者様からお話を聞いたんだけど……」

「え!?」


困ったように眉を顰め、僕と陸さんを交互に見る綺さんを見て僕は悪い胸騒ぎを覚える。


「実はね、露ちゃん、記憶障害なんですって」

「……」