言い合う綺さんと先生の間に割って入るのは躊躇われたけど、このままでは二人の言い合いはとどまりそうになかったため、二人の会話が途切れた頃を見計らって声をかけた。


「診察にきて下さったのなら、早くした方がよろしいのでは?」

「ん?あ……。
ゴホンッ、そ、そうだね」


すると医師は、バツが悪そうに僕から視線を逸らし、咳払いを一つしてから露に向き合った。


「こんにちは」

「こ、こんにちは……」


そんな医師に、多少の警戒は見せていたものの、露は小さく挨拶を返す。


「具合はどう?どこか痛いところはあるかな?」

「……」